同人誌の違法ダウンロードは無くならない？

同人誌の違法アップロードおよび違法ダウンロードは、同人業界において深刻な問題です。これらの被害にあった同人作家の中には、創作活動をやめてしまった人もいます。

有名な同人サークル『ぐじら4ごう』は、マンガを描く気力をなくした

『ぐじら4ごう』は、ショタ系のエロ同人CG集や、商業漫画も手掛ける大人気の同人作家・漫画家です。彼は、彼の手掛けた作品が違法アップロードされたおり、また膨大にダウンロードされていたことを知り、漫画はおそらくもう描かないとツイッター上で宣言しています。

これが本当であれば、貴重な才能がひとつ失われたのです。少なくとも違法アップロード・違法ダウンロードが、同人作家のやる気を大きく削いだことは言うまでもありません。

ぐじら４ごうの代表作『キメセクに敗けた娼年』

インターネットは便利で、もはや我々の現代の生活に欠かせないものとなりました。しかし海外サーバーと気軽に接触できることは、違法アップロード・違法ダウンロードを可能にしました。この記事では、同人誌と違法アップロード・違法ダウンロードの関係を書いていきたいと思います。

そもそも違法アップロードってなに？

インターネット上に同人誌をアップロードすることは、どうして違法行為になるのでしょうか？まずはその基本的なことから簡単に解説していきましょう。

創作物(著作物)には著作権が発生する

創作者が作り出したあらゆるモノ(著作物)は、著作権という法律で、その権利が保護されます。著作権で保護される著作物の種類は、言語・音楽・絵画・建築・図形・プログラムなど、さまざまな分野に及びます。

著作権とは、一言で表すと『著作物を排他的に利用する権利を認めるもの』のことで、著作権を所持する権利者は、著作物をどのように使用するかを独占的に決定できる権限を与えられます。

著作物をどのように販売するか、いつ公開するか、いくらのお金で販売するか、映画化するか・しないか、など。権利者が行使できます。それゆえに、他人の著作物を、権利者の許可無く勝手に利用したりすることは著作権に違反する行為となり、違法行為ということになります。

つまり、著作物(画像・ファイル・音楽・漫画・イラスト)など、もちろん同人誌のキャプチャー画像であっても、第三者が権利者の許可無く勝手にインターネット上のサーバーにアップロードして、閲覧およびダウンロードをできる状態に置くことは違法行為(しちゃダメ！な行為)となるのです。

同人誌にもオリジナルと二次創作の二種類ある

ひとえに同人誌と言っても、その種類は二つあります。

• オリジナルの頒布作品
• 二次創作の頒布作品

一つ目は、完全にオリジナルの創作物です。このケースでは、著作物の権利は、同人誌を製作した同人作家に帰属するため、同人作家の許可を取らずにインターネット上にアップロードする事は明確に違法行為となります。

二つ目の二次創作とは、もともと小説・漫画・ゲームなどの原作が存在しているケースで、同人作家がその原作にアレンジを加えて製作した作品の事を指します。これらは主にコミックマーケットなどの同人イベント等で頒布される同人誌です。

ここで一つの問題が生まれます。『では二次創作の同人誌は、原作を許可無くアレンジされた作品だから、これはそもそも違法ではないのか？』この問題については、別の記事で考察する予定ですので、そちらをご参考ください。

二次創作物に権利は発生するのか？

原作が存在する無許可の二次創作物について、同人作家に権利が帰属するのかという問題ですが、原作から新たに付加された要素(アレンジ部分)に関しては、二次創作者にも著作権が発生するという解釈が一般的なようです。

ただし、できあがった作品は、もちろん原作ありきの二次創作物になるため、二次創作物の権利の大部分は原著作者(原作者)に帰属します。

つまり原著作者の許可なく製作された二次創作物であっても、その同人誌を無断でアップロードすることは、原著作者の著作権も侵害する行為となるため、やはりどちらにせよアップロードは違法行為なのです。

以上で、同人誌のアップロードは違法であるという解説をしました。次は違法アップロードが行われる理由について考察します。

なぜ違法アップロードが行われるのか

さて、違法ということを知りながらなぜ違法アップロード行為が行われるのでしょうか？動機は、ほぼ下記の2点だと思います。

• 同人誌を皆で共有して無料で作品を沢山読みたい
• 同人誌を閲覧・DLできる状態にしてサイトの集客をしたい

下記の２項では、上記二つの理由について考察します。

■1. 同人誌を皆で共有して無料で作品を読みたいから

同人誌をアップロードする共有サイトという存在があります。サイトは、主に中国、韓国、アメリカなどにあります。日本のサブカルチャーや同人誌(主にエロ)を好む外国人が、正規のルートでは同人誌が中々入手できないため、どこかしらで手に入れた同人誌を共有サイトにアップロードして、お互いに交換しあっている現実があります。

■2. 同人誌を閲覧・DLできる状態にして集客したいから

アフィリエイトで収入を得ようとしているアダルトサイト・エログなどは、サイトへの集客(アクセス稼ぎ)のために、同人誌をZipで海外アップローダーなどにアップロードして、無料でダウンロード可能な状態にしたり、サイト内で画像を無料で閲覧できる状態にしています。

こちらのケースは、日本人が行うことが多く、完全に利益目的で権利侵害を犯しているということになります。

なぜ同人誌の違法アップロードが横行するのか

なぜ同人誌の違法アップロードが横行するのか、それは単に違法行為であっても犯罪として取り締まる事が難しい状況にあるからだと言えます。そもそも著作権は親告罪のため、著作権者が訴えを起こさなければ違法であっても実際に処罰されることは基本的にありません。

個人が弁護士を雇って訴えを起こすのも大変ですし、先の項目で解説した二次創作と同人誌の複雑な権利関係もあり、同人作家自身が大々的に声を上げて訴えを起こしにくいのも本音でしょう。

さらに、同人誌・違法ファイルのアップロードは海外サーバーを使用されていることが多く、違法者の所在が特定が難しいです。

相手の情報を開示させるためには、海外の弁護士を雇って英語でやり取りもしなくてはなりません。このような理由から、個人で訴えを起こすには障害が多く、結局は泣き寝入りするしかないという現状があります。

同人誌や同人CG集など、簡単に画像ファイルとして変換できるデータファイルはアップロードされやすい上に、訴えや罰則を受ける可能性も低いため、違法アップロードを行う人達が後を立たないと考えられるでしょう。

同人誌の違法ダウンロードは無くならない

以上の解説を踏まえた上で結論を言えば、違法アップロードをする人達がいる限り、違法ダウンロードを完全になくすことは、残念ながら不可能だと考えざるを得ません。

しかし、少しでも良識を持った人であれば今すぐ違法なダウンロード行為をやめることができますし、その総数は減らすことができると希望を持ちたいです。

同人作家の応援のためにも正規ルートのダウンロードサイトで購入しましょう

ここからのお話は、何かしら作品を制作するクリエイター側の人間でないとピンと来ないかも知れませんが、ぜひ想像してみてください。

作品作り(主にイラスト系に絞る)というものは、コンセプトやストーリーを考えるところからはじめ、登場キャラクターの設定・世界背景・台詞・エッチシーン・(漫画なら)コマ割・表紙イラストやCG・塗りなど、実に様々な要素が必要になります。同人イベントで頒布するなら、さらに印刷・製本などの手間が必要です。

エロ同人誌に限って言えば、抜けるエロシーンを描くのに、構図を考えて何時間もかけて絵を描きます。CG集であれば、差分も大量に用意します。オリジナルであれ、二次創作であれ、世の同人作家は精魂込めて、ひとつの作品に対して、多大な労力と貴重な時間をかけており、まさに命を削って同人誌を制作しています。

その努力を少しでも想像できれば、無料でダウンロードすることはとても失礼なことですし、良くない事だと分かります。欲しいと思った同人誌や同人作品は、ちゃんと対価を支払って購入しましょう。

同人ダウンロードサイト

同人作品のダウンロード販売を通じて、同人作家・同人サークルにきちんと報酬が支払われる正規のダウンロードサイトを紹介します。

• DMM.com
• DLSITE

どちらのサイトも長年の実績と信頼のある大手販売サイトですので、安心して同人作品を購入できます。是非ご利用ください。厳選したハイクオリティな抜けるエロ同人作品だけを当管理人が厳選した『抜けるエロ同人まとめ』も是非ご利用ください。

結論

売り上げ(販売数)は同人作家の次の作品作りのための糧になります。好きな絵柄、好きな漫画、好きなイラストCG画像であれば、ちゃんと購入して制作者を応援してあげることが大事です。

逆に、売り上げにならない違法ダウンロードは、同人作家のやる気を損ねることとなります。あなたがもし好きな同人誌を見つけたら、必ず正規ルートで購入するようにしましょう。

ということで、違法ダウンロードをなくすためには『違法ダウンロードはやめよう！』という当たり前のものになってしまいました。もちろん『最初からしてしてないよ！』という方が大半かと思いますが、何卒ご了承ください。それでは、よき同人ライフを。